使われ続けて

「貨幣」を読んで

今回の話は視点が貨幣からだった。貨幣が感情を持ち、語りだす。戦争時の貨幣は次々と新しいものが出来、そんな中で百円紙幣は自身が使われ、辿って来た道を思い出話として話す。
 貨幣はお金としてみると価値があるが、物の素材としてみると物足りない。実際、物語でもボロボロになっている。しかし、貨幣はボロボロになるほど、いろいろな人に使われてきたということだ。それは、この貨幣はこんなにも使われてきたんだという価値になるのではないだろうか。 

*女生徒 太宰治 角川文庫*

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