どれだけ待っても、

「待つ」

    誰を待っているのと言ったら、誰も待ってないと言う。ただ、ベンチに座っているだけ。彼女は何を思って座っているのか。それは、冷たくなった心を暖かくしてくれるものを求めてるのだろう。短かすぎる文章には冷たい雰囲気と、これから来るとも分からないが、暖かい風の予兆が詰め込まれていた。

*女生徒 太宰治 角川文庫*


コメント