一度は読んでみたかった本

「こころ」を読んで

あらすじ

学生の私と先生が出会い、先生の家へ遊びに行くうちになんだかんだ仲良くなるが、なかなか先生は胸の奥に隠している秘密を話してくれない。そんなある日、私は田舎の実家に住む父が病気なのを知り、帰省する。父はどんどん体調が悪くなる中、先生から一通の手紙が届く。忙しい中、最後のページのみ見たら、これ読んでいる時この世に私はいないという内容が書かれていた。私はすぐさま汽車に乗り、先生のもとへ向かう。向かう途中、私は先生の手紙を読み始めるが……。(自分の要約から) 
教科書にも載っている「こころ」 、教科書で読んだ頃と一冊丸ごと読んだ後ではまた違った面白さが出てきた、教科書の教材として読んでいた小説の背景にはこんなにも伏線があったのかなど感じられた。また、読んでいくうちに思ったことは現代でいう恋愛小説ぽいなと感じたことだ。先生とKの彼女との恋模様など有名だが、先生の嫉妬の場面など現代に生きる私たちにもよく分かるものだ。恋愛は何年経っても変わらないということだ。 
 「こころ」が面白いところは、先生の昔話が信頼できる若者への遺言書として書かれているところにあると思う。後半の先生の昔話になるまでの長い伏線を踏まえ、先生が遺言書として語り継ぐ。しかも、長い遺言書の内容で最後まで終わってしまい、残された若者の感情、言動が書かれていない。これは、読者が最後まで読んで思った気持ちが若者の感情だと思っていいと思う。そう、読者に先生の話を残していったことで、いまでも「こころ」は読まれ続けているのだろう。




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