記憶力がいい人って損しないよね

今回紹介するのは「ふたりの距離の概算」

あらすじ


春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの〈古典部〉に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではないー。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!             
 (角川文庫,ふたりの距離の概残算,米沢穂信,表紙裏)


古典部シリーズの第5弾!
 とうとう1年が過ぎ、2回目の春がやってきた古典部シリーズ。新入生確保のため古典部がんばり……ません。というより元から古典部は目立ちませんから人を呼ぼうにも集まりませんが、そんな古典部にも活発そうな1年生が一人仮入部に来ました。しかしこの一年生、本入部前に入部しないと言い残して出で行ってしまいます。
 今回はこの謎を奉太郎が学校行事のマラソンを走りながら、回想を通して謎を解いていくというのにおもしろさがあります。一回想が終わる度に、現在に戻って走っているシーンが現れるというおもしろい構成でした。話が進むにつれ、残り何キロと表示される数字があるのですが、これは奉太郎がただ走っていることを示しているのではなく、新入生の彼女との心の距離も表していると思いました。









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