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小説家になる方法

響 1 久しぶりに漫画を読みました。ネタバレ注意(要約した感じで)👇  マンガ大賞2017 大賞受賞作となった「響」面白いと言う事で読んでみました。  出版不況の世の中出版社に持ち込まれた、一冊の住所不定の新人賞宛の原稿が物語の始まりです。私も小説を書いた事がありますが、出版社には応募した事が無いので憧れです。  場面は変わり、原稿を書いた高校生の響の学生生活が描かれます。響は見た目は普通の女子高生なのですが、言動が変わった女子でした。まず、文芸部に訪れるのですが、文芸部は不良の溜まり場でした。そこで響は絡んで来た不良の指を折ってしまいます。一緒にいた友達の涼太郎により、場は収まり、不良は出て行きます。一人の新入生がここまで、しかも女子がやるのはおかしいと思いましたが、これがかっこいい響の魅力でもあるなと思いました。  中盤では部員を集め始めます。不良組にいた本好きのギャルの先輩リカと涼太郎と響はまず、ラノベ好きのメイクの子セキグチを響の言葉で入部させます。そして、次に響は指を折った不良の先輩タカヤを誘います。話した事があるのがそいつだけだからと言って。本当に響はおかしいのではと思ってしまいます。て言うかおかしいです。タカヤは指を折ったけじめとして、屋上から落ちろと言います。そして、響は屋上の端に立ってタカヤに押せばと言います。タカヤは押せませんでしたが、響は風に煽られ、落ちます。しかし、階の途中で涼太郎にキャッチされます。あり得ないナイスキャッチ!部員が5人となります。  同時並行で編集部での会話が描かれます。送って来た原稿の鮎喰響とは誰か。原稿の凄さを見た編集部の花井はこの原稿を書いた響に未来の小説家になって欲しいと言う思いと涼太郎の普通の女の子になって欲しいと言う思いが交差します。  響の行動に目が離せません。小説家と言う大人しいイメージからかけ離れた響。面白かったです!

記憶力がいい人って損しないよね

今回紹介するのは 「ふたりの距離の概算」 あらすじ 春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの〈古典部〉に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではないー。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!               (角川文庫,ふたりの距離の概残算,米沢穂信,表紙裏) 古典部シリーズの第5弾!  とうとう1年が過ぎ、2回目の春がやってきた古典部シリーズ。新入生確保のため古典部がんばり……ません。というより元から古典部は目立ちませんから人を呼ぼうにも集まりませんが、そんな古典部にも活発そうな1年生が一人仮入部に来ました。しかしこの一年生、本入部前に入部しないと言い残して出で行ってしまいます。  今回はこの謎を奉太郎が学校行事のマラソンを走りながら、回想を通して謎を解いていくというのにおもしろさがあります。一回想が終わる度に、現在に戻って走っているシーンが現れるというおもしろい構成でした。話が進むにつれ、残り何キロと表示される数字があるのですが、これは奉太郎がただ走っていることを示しているのではなく、新入生の彼女との心の距離も表していると思いました。

気づかない内に気になっている

今回紹介するのは 「遠回りする雛」 あらすじ 「折木奉太郎は〈古典部〉部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎と共に真相を推理するー。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか〈古典部〉を過ぎゆく1年を描いた全7編                (角川文庫,遠回りする雛,米沢穂信,表紙裏) 古典部シリーズ第4弾!今回は古典部が1年の間にあった様々な出来事を描いた短編集です。古典部の1年間が「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」で描かれ、その間間にあったお話です。初めのころにはなかった奉太郎の感情や思いがこの作品を読むことによって、なんとなく見えてきてどんどんこの古典部シリーズに、のめり込んでしまいました。

物の並びには意味がある

今回紹介するのは 「クドリャフカの順番」 あらすじ 「待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲ーーー。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに・・・・・・。」   (角川文庫,クドリャフカの順番,米沢穂信,表紙裏) 古典部シリーズ第3弾!まちに待った高校生での大イベント、文化祭での物語。今回、古典部は誤って多く発注してしまった自分たちの文集を一部でも多く売るため、部員総出で古典部の宣伝をします。クイズ大会に出てアピールしたり、他の部活にも文集を置いて売ってもらったり、部員がそれぞれ活躍します。その活動の一つとして盗難事件の犯人を見つけ出し、古典部の宣伝をするというのが今回の目玉の謎解きです。盗難事件に隠された暗号に、あなたは辿りつけますか?

青春に嘘はつきものだ

今回紹介するのは 「愚者のエンドロール」 あらすじ  「文化祭にて出展するクラス制作の自主映画(ミステリー)を鑑賞することになった古典部。しかし、ラストの謎が解けないまま映画は途中で終わってしまう。原因は脚本家が疲労で倒れてしまい、まだ撮れていないという。古典部はラストのシーンはどうなる予定だったのか、映画作りの関係者と話し合い謎を解いていく。」  氷菓に続く、古典部シリーズ第2弾!今回は映画の結末を推理していくと言うお話です。いろんな関係者から聞く話から辻褄が合わないものを見つけたりしながら、答えに近づこうとする「なるほど」と思う作品でした。誰かが嘘をついているのですが、あなたは見破れるでしょうか? *角川文庫 愚者のエンドロール 米沢穂信*

青春✖︎ミステリーの代表作がここにある

今回紹介するのは 「氷菓」 あらすじ  「高校生となった「折木奉太郎」は姉からの手紙により、古典部に入部することになります。いざ部室へ行き、鍵を開けると中には「千反田える」がいました。彼女は閉じ込められていたと言うため、なぜ閉じ込められていたのかという事件の推理が始まります。彼女の好奇心が「折木奉太郎」を動かし謎を解いて行く、青春✖︎ミステリー作品です。」  風太郎がこの作品を知ったのはアニメからでした。アニメを見た後小説を読んだので、つまらないかなと思っていたのですが、そんな事はなく楽しく読むことが出来ました。小説は「折木奉太郎」の一人称で進んで行くのですが、その時々に感情や意見、思いが読めてクスっと笑ってしまいます。  まだ「氷菓」を知らない、読んだこと無いと言うと人に読んで欲しい風太郎のお気に入りの作品です。きっとラストの一言で解き明かされる「氷菓」という題名の謎に感嘆するでしょう。  *角川文庫 氷菓 米沢穂信*

自分を知る人がいない世界を考えたことがありますか?

今回紹介するのは、米沢穂信さんが送る 「ボトルネック」 全5章で構成された「青春ミステリー」です。 あらすじ  「亡くなった恋人の追悼のため東尋坊へきた主人公は、誘われるようにして崖から墜落してしまいます。しかし目を覚ますと、ケガもなく金沢の街に戻っているのです。仕方なく家に戻ったところ、家から知らない「姉」が出できました。二人が出会い、世界の間違え探しが始まるのです。」  普段ミステリーをあまり読まない風太郎ですが、「ボトルネック」はとても読みやすい作品でした。 ミステリーという枠組みの中に入っているのですが話の前提が似ているが少し違う別世界という、どこかSFぽさを感じました。とにかく主人公は冷静で、姉と話す場面が多くあるのですがそれがテンポがよく、また二人の違いがよく出ていておもしろいのです。おそらくミステリーものでは難しいと思われる設定であるのにもかかわらず、しっかりとした内容でした。  今度、米沢さんの「氷菓」が実写映画化されるそうで嬉しい限りです。   *新潮文庫 ボトルネック 米沢穂信*