病室の少年

「おーい、こっち来いよ！」

陽気そうな男の子の声が聞こえる。

その声に誘われて、数人の男の子たちが走っていくのが見えた。

窓から風が入り、カーテンを揺らす。

真っ白なこの空間から見る彼らは、全てが青く見えた。

青くて、眩しくて、羨ましい。

肩に見えていたチューブ管から流れる液体の音は聞こえなくなっていた。

土を踏みしめる音が聞こえる。

鳥たちのさえずりが聞こえる。

葉の擦れる音が聞こえる。

僕はいつの間にか、向こう側に行っていたようだ。

「僕もまぜてよ！」