カタクリ

麗らかな、温かい日の光を浴びるため、土をかき分け、地上を目指す。
頭が出た。
まだ肌寒さと冷たい風を感じる。

誰にも荒らされていない山中。
積雪も見える。
続々と仲間たちも顔を出して来た。
「おはよう!」
「ごきげんよう」
「何年振り?」
淡紫色の花が挨拶をするように開いていく。
若紫の絨毯が擦れあっていた。

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